Airレジ(エアレジ)は、iPadまたはiPhoneがあれば、手軽に使えるPOSレジアプリです。
そこで、Airレジは「お店で使うのにWi-Fi環境は必要なのか?」、「Wi-Fiなしでも会計など処理できるのか?」気になるところですよね。
- Wi-Fiがなくても会計など一部機能は使える。
- 売上データなどの同期にはネット環境が必須。
- Wi-Fi環境があれば安心してAirrレジが使える。
- モバイルデータ通信やテザリング接続も可能。

Airレジは、Wi-Fiがなくてもオフラインモードで現金会計は可能です。
ですが、Airペイなどのキャッシュレス決済や売上データの同期には、Wi-Fi接続が不可欠です。
なので、Airレジは、まったくインターネットに接続しないで使うということはできません。
ただ、Wi-Fiではなく、モバイルデータ通信やテザリング接続でAirレジを使うことは可能です。
この記事では、AirレジをWi-Fiなしで利用する方法と、それぞれのメリット・デメリットも解説します。


Airレジを使うのにWi-Fiは必要ないの?


Airレジ(エアレジ)はWi-Fi環境がなくても会計業務を行うことが可能です。
しかし、全ての機能が利用できるわけではなく、いくつかの注意点が存在します。
モバイルデータ通信を使って会計する
iPadやiPhoneが「セルラーモデル」の場合、Wi-Fi環境がない場所でも携帯電話会社のデータ通信(4Gや5Gなど)を利用してAirレジの全機能を活用できます。





SIMカードを契約して端末に挿入すれば、インターネット接続された状態となり、Wi-Fi接続時とほぼ同じようにレジ業務を行えます。
この方法は、キャッシュレス決済サービス「Airペイ」との連携も可能なため、クレジットカード決済や電子マネー、QRコード決済にも対応できます。
売上データもリアルタイムでクラウドに同期されるため、キッチンカーや移動販売、催事・イベント出店といった業態に最適な方法と言えるでしょう。
オフラインモードで会計する
Wi-Fiもモバイルデータ通信も利用できない、完全にインターネットから切断された状況でも、Airレジには「オフラインモード」という機能があり、会計業務を継続できます。


オフラインモードとは
オフラインモードとは、インターネット接続が切れた際、Airレジアプリが自動的に切り替わる機能のことです。



例えば、通信障害や、一時的に電波が不安定になるなど、万が一の事態に備えたセーフティネットとしての役割を果たします。
オフライン中に行った会計データは、アプリ内に一時的に保存されます。
再びインターネットに接続されると、保存されていたデータは手動でクラウドサーバーへ送信(同期)できるため、売上データが消えてしまう心配はありません。
ただ、オフラインモードになる前に、あらかじめオンラインの状態でAirレジアプリにログインしておく必要がありますのでご注意ください。
オフラインモードは現金でのみ会計可能
オフラインモードにおける最大の注意点は、利用できる支払い方法が「現金」のみに限定されることです。
クレジットカードや電子マネー、QRコード決済といったキャッシュレス決済は、決済代行会社のサーバーと通信して承認を得る必要があるため、オフラインの状態では利用できません。
オフラインモードで利用できる機能とできない機能の主な違いを以下にまとめました。
項目 | オフラインモード での可否 | 備考 |
---|---|---|
現金での会計 | 通常通り会計処理が可能です。 | |
キャッシュレス決済 (Airペイなど) | インターネット通信が必須のため利用できません。 | |
レシートの発行 | Bluetooth接続のレシートプリンターであれば発行可能です。 | |
会計データの保存 | 端末のアプリ内に一時的に保存されます。 | |
売上データの自動同期 | オンライン復旧後に手動または自動で同期が必要です。 |




AirレジをWi-Fiなしでオフラインモードを使う際の注意点


オフラインモードは、通信障害でも会計を続けられる機能ですが、あくまで一時的な利用を想定したものです。
インターネット接続時と比べて機能が制限されるため、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。
キャッシュレス決済(Airペイ)が使えない
オフラインモードにおける最大の注意点は、キャッシュレス決済が一切利用できなくなることです。
クレジットカード、交通系ICカード、iDやQUICPayなどの電子マネー、QRコード決済といった、現代の店舗運営に欠かせない決済手段がすべて使えません。



キャッシュレス決済の承認処理に、決済端末と各決済事業者のサーバーとのインターネット通信が必須であるためです。
オフライン状態ではこの通信ができないため、決済処理そのものが実行不可能となります。
お客様に現金でのお支払いをお願いする必要があるため、特にキャッシュレス決済の利用率が高い店舗では、販売機会の損失につながるリスクがあります。
売上データの自動バックアップと同期ができない
通常、Airレジでの会計データはリアルタイムでクラウド上に自動でバックアップされ、どの端末からでも最新の売上状況を確認できます。
しかし、オフラインモードで会計した売上データは、お使いのiPadやiPhoneの端末内にのみ一時的に保存されます。
クラウドへのバックアップが行われないため、万が一端末が故障したり、Airレジアプリを削除した場合に、オフライン中の売上データが消失してしまう危険性があります。



オンライン環境に復帰した後、必ず手動でデータをクラウドへ同期させる必要があります。
この同期作業を忘れると、日の売上データに差異が生じ、正確な売上管理ができなくなるため注意が必要です。
商品マスタや在庫情報の更新ができない
オフラインモードでは、商品情報のリアルタイムな更新や同期ができません。



例えば、管理画面で商品の価格を変更したり、新しい商品を登録したりできません。
また、在庫管理機能を利用している場合、オフライン中の会計では在庫数が減った情報がクラウドに送信されません。
そのため、オンライン復帰後にデータを同期するまで、管理画面上の在庫数は古い情報のままです。
複数店舗やECサイトと在庫を連携している場合、在庫数にズレが生じ、「在庫があるのに欠品している」、「欠品しているのに注文を受けてしまう」といったトラブルの原因となります。
Airウェイトなど外部サービスとの連携できない
Airレジは、順番待ち管理システムの「Airウェイト」や、予約管理システム、会計ソフトなど、多くの外部サービスと連携できる点が魅力です。
しかし、オフラインモードでは、これらのサービスとのデータ連携がすべて停止します。



例えば、飲食店でAirウェイトと連携している場合、会計が完了しても座席の空き情報が自動で更新されません。
また、会計ソフトとの連携も停止するため、オフライン中の売上データは自動で取り込まれず、オンライン復帰後に手動で反映させる手間が発生します。
オフラインモードで制限される主な機能を以下の表にまとめました。
機能 | オフラインモード での利用可否 | 具体的な影響 |
---|---|---|
現金会計 | 基本的なレジ機能として利用できます。 | |
キャッシュレス決済 (Airペイ) | カード・電子マネー・QRコード決済が一切使えません。 | |
売上データの 自動バックアップ | データは端末内にのみ保存され、消失リスクがあります。 | |
商品・在庫情報 の同期 | 価格変更や在庫数の変動がリアルタイムに反映されません。 | |
外部サービス連携 | Airウェイトや会計ソフトなどとの連携が停止します。 |
店舗の運営効率を大きく左右する連携機能が使えなくなる点は、大きなデメリットと言えるでしょう。


AirレジでWi-Fi接続が必要になる具体的なシーン


Airレジはオフラインモードでも会計業務の一部を行えますが、その機能は現金会計に限定されます。
Airレジが持つポテンシャルを最大限に引き出し、店舗運営を効率化するためには、安定したWi-Fiなどのインターネット接続が不可欠です。
まず、インターネット接続が必須となる主な操作を以下にまとめました。
操作・機能 | Wi-Fi(インターネット接続)が必要な理由 |
---|---|
お店の開店準備・ レジ締め | 一日の営業データを管理サーバーと正確に送受信し、記録するため。 |
キャッシュレス決済 (Airペイなど) | クレジットカードや電子マネーの承認を、各決済会社のサーバーとリアルタイムで通信するため。 |
売上データの 確認・分析 | クラウドサーバーに保存された最新の売上データに、パソコンや別の端末からアクセスするため。 |
商品マスタや 在庫情報の更新 | 変更内容をサーバーに保存し、他の端末や関連サービスと情報を同期させるため。 |
外部サービス との連携 | Airウェイトなどの予約管理サービスや会計ソフトとリアルタイムでデータを連携させるため。 |
お店の開店準備とレジ締め
1日の営業を開始する際の「開店準備(レジ開け)」と、営業終了時の「点検・精算(レジ締め)」の操作には、インターネット接続が必須です。



これらの操作は、その日の売上データをAirレジのクラウドサーバーと正確に同期させるための重要なプロセスです。
開店準備では、サーバーから最新の商品情報や設定を読み込み、営業を開始したことを記録します。
レジ締めでは、その日の全ての取引データをサーバーへ送信し、売上を確定させます。
もし、インターネットに接続されていない状態だと、これらの操作は実行できず、日々の売上管理に支障をきたす可能性があります。
正確な売上とデータの一貫性を保つために、開店・閉店時は必ずWi-Fiに接続できる環境を確保しましょう。
クレジットカードや電子マネーで会計する時
お客様がクレジットカード、交通系電子マネー、iD、QUICPay、あるいはQRコード決済といったキャッシュレス決済を希望された場合、Wi-Fiなどのインターネット接続が絶対に必要です。
Airレジと連携するAirペイなどの決済サービスが、決済情報を各決済代行会社のサーバーとリアルタイムで通信し、与信承認を得る仕組みになっているためです。



通信できないオフラインの状態では、承認プロセスが実行できないため、キャッシュレス決済は利用できません。
現代の店舗運営においてキャッシュレス決済は、顧客満足度の向上と販売機会の損失を防ぐ上で重要です。
お客様の多様な支払いニーズに応えるためにも、安定した通信環境は不可欠と言えるでしょう。
日々の売上をパソコンで確認したい時
Airレジの大きな魅力の一つは、iPadやiPhoneのアプリで行った会計情報が自動でクラウドに集計され、パソコンのブラウザからいつでも売上分析できる点です。
店舗の営業中や閉店後、あるいは自宅からでも、日別・月別の売上推移、商品別ランキング、客層分析といったデータを確認できます。



この機能を利用するには、当然ながらインターネット接続が必要です。
レジ端末から送信されたデータはクラウドサーバーに保存されており、パソコンからそのサーバーにアクセスして情報を閲覧するためです。
店舗のWi-Fi環境はもちろん、売上を確認したいパソコン側にもインターネット接続環境が求められます。
この機能を活用することで、データに基づいた戦略的な店舗運営が可能になります。


Wi-Fi環境がない場所でAirレジを使う方法


店舗に固定の光回線やWi-Fi設備がなくても、Airレジを活用する方法はあります。



特に、キッチンカーでの移動販売やイベントへの短期出店など、場所を問わずに営業する事業者にとって、モバイル通信の活用は不可欠です。
また、店舗運営中に予期せぬ通信障害が発生した際のバックアッププランとしても役立ちます。
キッチンカーやイベント出店での活用法
キッチンカーや催事場など、固定のインターネット回線を引くことが難しい環境では、スマートフォンのモバイルデータ通信やポケットWi-Fiを利用することで、Airレジの全機能を活用できます。
スマートフォンのテザリングで代用する
テザリングとは、お持ちのスマートフォンをモバイルルーター代わりにして、iPadなどの他の端末をインターネットに接続する機能のことです。



ただ、テザリング利用中はスマートフォンのバッテリー消費が激しくなるため、モバイルバッテリーを準備しておくと安心です。
また、スマートフォンの契約プランによってはデータ通信量に上限があるため、使いすぎに注意が必要です。
電話の着信時に通信が不安定になる可能性も考慮しておきましょう。
持ち運び可能なポケットWi-Fiを活用する
ポケットWi-Fi(モバイルルーター)は、持ち運び可能な小型の通信端末です。
別途通信事業者との契約が必要になりますが、テザリングに比べて通信が安定しており、Airレジ用のiPadと業務用スマートフォンなど、複数のデバイスを同時に接続したい場合に便利です。
スマートフォンのバッテリーを気にせず利用できる点も大きなメリットです。
どちらの方法が適しているかは、利用シーンやコスト、求める通信の安定性によって異なります。
比較項目 | スマートフォンのテザリング | ポケットWi-Fi |
---|---|---|
手軽さ | すぐに利用可能 | スマートフォンがあれば準備が必要 | 別途、機器の契約と
通信の安定性 | 電波状況や機種に依存する | スマートフォンの比較的安定している |
コスト | (一部キャリアは料金がかかる) | 追加費用なし月額利用料金が発生する |
バッテリー | 大きく消費する | スマホのバッテリーをスマホの電池は消費しない | 機器自体の充電は必要だが、
同時接続 | 速度が低下しやすい | 複数台接続も可能だが、想定して設計されている | 複数台の同時接続を
上記の表を参考に、ご自身の営業スタイルに合った方法を選びましょう。
通信障害など緊急時の対応
店舗で固定回線を利用している場合でも、通信障害でインターネットが利用できなくなるリスクはあります。
そのような緊急時には、Airレジのオフラインモードが役立ちます。



オフラインモードでは、現金会計や注文入力など一部の機能が利用できるため、レジを完全に止めることなく営業を継続できます。
ただ、オフラインモードではAirペイを利用したキャッシュレス決済はできません。
そのため、緊急時の対応としては、まずオフラインモードで現金会計を続けながら、代替のインターネット接続手段を確保することが重要です。
テザリングやポケットWi-Fiを準備しておけば、速やかにインターネット環境を復旧させ、キャッシュレス決済にも対応できます。
通信が復旧した後は、オフラインモード中に行った会計データが自動でサーバーに同期されるため、売上データが失われる心配もありません。


Airレジを導入する前に準備すべきWi-Fi環境


Airレジを店舗でスムーズかつ安定して利用するためには、信頼性の高いインターネット環境が不可欠です。
店舗の規模と業態に合わせた回線選び
店舗に導入するインターネット回線は、主に「固定回線」と「モバイル回線」の2種類に大別されます。
固定回線(光回線)が最もおすすめ
常設の店舗でAirレジを利用する場合、最も推奨されるのが光回線などの固定回線です。
Airレジでの会計処理はもちろん、Airペイを利用したキャッシュレス決済、売上データのバックアップなど、複数の用途でインターネットを利用する場合でも、通信が不安定になりにくいメリットがあります。
モバイル回線(ホームルーター・ポケットWi-Fi)の検討
屋外のイベント出店、キッチンカーなどでAirレジを利用する場合、モバイル回線が有力な選択肢となります。



工事不要で、コンセントに挿すだけですぐに利用開始できる「ホームルーター」や、持ち運び可能な「ポケットWi-Fi」があります。
ただ、固定回線に比べると通信が不安定になる可能性や、データ容量によっては速度制限がかかる場合がある点には注意が必要です。
Airレジの利用だけであれば問題ないことが多いですが、動画再生や大容量データの送受信など、他の用途でも利用する場合は契約プランを慎重に選びましょう。
Airレジの利用に推奨される通信速度と安定性
Airレジの公式サイトでは、利用に必要となる具体的な通信速度の数値は明記されていません。



しかし、決済という店舗運営の根幹を担うシステムであるため、「速度」以上に「安定性」が重要視されます。
特に、交通系電子マネーなど、スピーディーな決済が求められる場面では、通信の遅延が顧客満足度の低下に直結する可能性があります。
以下の表は、店舗での利用シーンに応じた推奨される通信環境の目安です。
利用シーン | 推奨される環境 | ポイント |
---|---|---|
Airレジでの 現金会計のみ | モバイル回線 (ポケットWi-Fiなど) | オフライン機能もあるため最低限の通信でも運用可能。ただし、売上データの同期のためには安定した通信が望ましい。 |
Airレジ+ キャッシュレス決済 (Airペイ) | 安定した光回線(推奨) または ホームルーター | 決済処理で通信が途切れるリスクを避けるため、安定性が最優先。特にピークタイムの通信量を考慮することが重要。 |
上記に加え、 顧客用フリーWi-Fiや その他業務でも利用 | ビジネス向けの光回線 | 業務用ネットワークと顧客用ネットワークを分離できる機能(ゲストWi-Fi機能など)を持つルーターの利用を強く推奨。 多くの機器が同時接続しても速度が落ちにくい環境が必要。 |
Wi-Fiルーター選びのポイント
Wi-Fi環境を構築するためには、インターネット回線だけでなく、Wi-Fiルーターの性能も非常に重要です。
通信規格は「Wi-Fi 5(802.11ac)」以上
Wi-Fiルーターを選ぶ際は、通信規格を確認しましょう。
これらの規格は高速通信が可能で、複数のデバイスを同時に接続しても通信が安定しやすい特長があります。
周波数帯(5GHzと2.4GHz)の使い分け
Wi-Fiには主に「5GHz」と「2.4GHz」の2つの周波数帯があります。



Airレジを接続するiPadやiPhoneは、電波干渉が少なく安定した通信が可能な「5GHz」への接続を推奨します。
2.4GHz帯は家電と電波が干渉することがありますが、壁などの障害物に強いという特長があります。
店舗の環境に応じて使い分けると良いでしょう。
セキュリティ設定を忘れずに
店舗のWi-Fiは、お客様の個人情報や売上データなどを扱うため、強固なセキュリティ対策が必須です。
「WPA3」や「WPA2」といった新しい暗号化方式に対応したルーターを選び、初期設定のパスワードから推測されにくい複雑なものに変更して運用しましょう。
有線LAN接続という選択肢
Wi-Fiの電波がどうしても不安定な環境や、通信障害のリスクを最大限に減らしたい場合には、iPadやレシートプリンターを「有線LAN接続」する方法も非常に有効です。
iPadを有線LANで接続するには、Apple純正の「Lightning – USB 3カメラアダプタ」と、別途USBイーサネットアダプタなどを組み合わせることで可能になります。
Wi-Fiの安定性に不安がある場合は、最も確実なこの方法を検討する価値があります。


まとめ(Airレジの利用はインターネット接続が必要)
Airレジ(エアレジ)でのWi-Fiの必要性について、詳しく解説してきました。
- Wi-Fiがなくても会計など一部機能は使える。
- 売上データなどの同期にはネット環境が必須。
- Wi-Fi環境があれば安心してAirrレジが使える。
- モバイルデータ通信やテザリング接続も可能。



Airレジはオフラインモードを使えば現金会計のみ可能ですが、基本的にインターネット接続が不可欠です。
キャッシュレス決済の利用や、売上データの自動同期、商品情報の更新など、日々の店舗運営に欠かせない多くの機能はオンライン環境が前提です。
Wi-Fiがない場合でもスマートフォンのテザリングなどで代用できます。
ですが、安定した通信環境を整えることが、スムーズな会計と効率的な店舗管理につながります。